加速時に異音!スペーシアMK 42Sベルトテンショナー交換

スペーシアMK 42Sベルトテンショナー交換 スズキ

 加速時に異音がするとMK42Sのスペーシアのお客様が来店されました。

登り坂でガラガラ音がして怖いの

それは不安ですね

私にお任せください

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異音の確認

 まずお客様と共に試乗し異音の確認です。
確かに加速時にガガガッと異音がします。

マフラーの遮熱版が外れているのだろうか?マフラーステーのヒビだろうか?などと考えながら工場に戻りマフラーを見ても異常はなし、Dレンジにてストール状態でも異音が発生するようなので音を外から聞いて見るとどうやらオルタネーター付近から聞こえるようです。

原因の追求

オルタネーターにサウンドスコープを当てて見るもどうも音が遠いようです。もう少し下の方か?車両下に入りベルト付近をみると

オートテンショナーがオイル漏れしているようです。

 エンジンを停止しメガネレンチでテンショナーの伸縮具合を点検してみます。

 やはりスカスカです。オイルが完全に抜けてしまってこれではベルトの張りを一定に保つことは困難でしょう。ベルトを外しエンジンをかけると異音は消えました。原因は減衰できていないテンショナーが底付きしガガガガっと音を慣らしていたようです。

テンショナー交換

まず今回はウォーターポンプベルトを交換するので手っ取り早く切断します。
次にオートテンショナーの六角部分にメガネレンチを当てて緩めた状態でオルタネーターベルトを取り外します。
この時角度のついたメガネレンチでなければクランクプーリーに干渉して滑りますのでしっかり六角部にかかる工具を選択しましょう。
滑ると六角を削り取ってしまう恐れがあります。

 次にアイドラプーリーを取り外しテンショナーを取り外すのですがテンショナーのロアボルトは取り付ける際に全くボルト穴が見えませんので取り外す時に位置を手の感覚で覚えて置いてください。

 

 そしてアッパーボルトは上側から取り外します。
これもまた取り付けの際は全く見えないので位置を覚えて置きましょう。
なおアッパーボルトにはシール剤が塗布されておりなかなか外れないので首振りギアレンチくらいはあった方が楽です。

テンショナーアッパーボルトは再使用不可!

 サービスマニュアルに記載はありませんがメーカーからの通達でこのアッパーボルトにはシール剤が塗布されており再利用不可とのことですので絶対に新品を使いましょう。

 タイミングチェーカバーを貫通しているらしくオイル漏れしてしまうそうです。

組み付けていくと分かるのですが本当にボルトが入りにくいです…。

クーラーベルトは取り付けにくい!

 最近スズキ車に使用されているストレッチベルトなのですが入りにくいです。ボディとの隙間が狭く汎用のベルトインサーターが使えません。

そこでスズキから専用のインサーターが販売されていますのでこれからのスズキ車で必要になって来ます。これは工場に一つくらいあった方が良いですよ。

しかし専用インサーターは耐久力がないので4台くらい交換すると木っ端微塵になったりします。

まとめ

初めて遭遇する異音でしたので先入観を捨ててセオリーに当て嵌めず原因を突き詰めるのが大事ですね。そして工具の選択の重要性!何も考えずに普通のメガネを使うとテンショナーの六角部は削り飛ぶと思います。と言うか削り飛んでいる車両をたくさん見ました。専用工具も必要とあらば購入する必要がありますね。

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