こんにちは。うどん整備士です。
200系ハイエースが発売されてから16年。
すごく頑丈な車で10年以上使われている方も多い自動車ですね。
丈夫な車とはいえ長く使われている分トラブルも増えてきます。
今回は走行中にゴロゴロと異音が聞こえるKDH200ハイエースの修理について解説します。
車輛情報
このハイエース高速を走行中に会話も聞こえなくなるくらいの音量でゴーっという異音が右前辺りから鳴り続けるそうです。
点検内容
それでは、点検して行きます。
右前からと伺いましたが試乗してみるとどうも低速時でも左右ともに異音が発生しているようです。
リフトアップしハブの点検です。
タイヤが付いた状態で回転させてみてもさして異音は聞こえません。
ハイエースなどの車重の大きい車は浮かせた状態で異音が出ないことがあります。
そこでブレーキキャリパーまで取り外しハブを左右とも回転させてみます。
すると左右共に手にゴリゴリと振動が伝わってきます。
車重が加わると異音が発生する原因になるでしょう。
必要な交換部品
交換手順
ハブASSYで取り外す必要があるので邪魔になりそうなABSセンサーを外します。
ナックル裏に工具が入りづらいのでタイロッドも分離。
ナックル裏側のボルト4本を緩めるとハブとベアリングが一体で取り外せるのですが、
大抵固着が酷く簡単には外れません。
この4本のボルトにソケットを被せてハンマーで叩きます。
かなり叩いてやっと外れました💦
ロックナットを外す為にホイールにハブをセットします。
ロックナットをSSTで取り外します。
このロックナット289N/mで締まっているのでタイヤチェンジャーに固定するくらいしないとまず緩みません💦
ディスクローターを外していよいよベアリングを取り外しにかかります。
油圧プレスに掛けるのが定番ですが、今回固着が酷いのかプレスの台座がしなって来たので違う方法をとりました。
スライディングハンマーをハブベアリングにセットし引きあげる!
プレスを超えるパワーを出せるわけもなくビクともしませんね…。
そこで今回も不本意ながらガスで溶断します…。
新品のベアリングはハウジングも着いてきます。
なので、ハブ以外溶かしてもいいですね。
溶かしてから再度ホイールに固定しスライディングハンマーでチャレンジ!
溶かしたのがこちら!
ここまでのことになるならハブも見積もりに入れておきたかった…。
なんとか外れましたね。
ガス溶接機を出してきたついでにインナーレースも切断しました。
新品ベアリングの圧入はプレスで行います。
ローターを組付け、ナックルにハブを組付ければ完成!
しかし、もう片側同じ作業が残っている…。
ナックルに組む前に、取付穴はワイヤーブラシなどで綺麗にしておくと入りやすいです。
SSTがあればもっと早く終わりそうですね。
ハイエースのハブベアリング専用工具が欲し過ぎる!
上のリンク先の画像を見ると分かると思うのですが、このハイエースフロントハブ専用SST!
めっちゃ良さそうですね。
この工具があれば、溶断する必要もなさそうです。
私も今回の作業を経験し次回の為に導入しようと思っています。
ハイエースのフロントハブベアリングを3回くらい交換すれば元が取れるかな?
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