イグニッションコイル故障と診断方法について解説します。

イグニッションコイル 故障と診断方法 故障診断
イグニッションコイル 故障と診断方法を解説します。
  • アクセルを踏んでも加速が鈍い
  • アイドリング時の振動が大きい
  • エンジンが止まりそうになる
  • 排気ガスがガソリン臭い

この様な症状が出ている場合イグニッションコイルの故障を疑って見るのがいいかも知れません。

この記事を読んでイグニッションコイル故障について,

またイグニッションコイル故障の診断方法について知ることが出来れば簡単な構造の車両なら異常シリンダー特定までは出来る様になります。

それでは解説して行きますね。

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イグニッションコイルって何?

イグニッションコイルとはガソリンエンジンに装着されている装置でエンジンの燃焼室内でガソリンを燃やす火花を発生させる為のスパークプラグに電気を供給する部品です。

イグニッションコイルはすごく重要な部品です。

現在の自動車ではディストリビューターやプラグコードは存在せずダイレクトイグニッションシステムが採用されており今回はダイレクトイグニッションシステムで解説します。

スパークプラグでガソリンを燃やす為の火花を作るためには非常に高い電圧が必要になります。

しかしガソリン車のバッテリーの電圧は12vなので火花を作ることはできません。そこでイグニッションコイルは12vの電圧を数万vまで増幅しスパークプラグで火花を作れるようにします。

イグニッションコイルが壊れると何が起きるの?

現在の自動車ではイグニッションコイルが車種により3〜6個装着されており一個壊れたぐらいでエンジンは停止しないことがほとんどです。

しかし一つでも故障すると次の様な症状が起こります。

アクセルを踏んでも加速しない

イグニッションコイルが一つ故障するとガソリンを燃やせない箇所が出来るので出力が安定せずパワーが落ちアクセルを踏み込んでも加速が鈍くなったり加速時の息継ぎが起きたりします。

アイドリング時の振動が大きい、エンジンが止まりそうになる

例えば軽自動車の場合燃焼室が3箇所ありイグニッションコイルも3個使われています。

そのうち一つが故障で燃焼できない場合1箇所だけ出力不足に陥りエンジン回転スピードのバランスに偏りが起きて大きな振動となって現れます。

そしてアイドリングが不安定になりエンジンが止まらないまでも止まりそうになったりします。

排気ガスがガソリン臭い

イグニッションコイルが故障した状態だとガソリンを燃やすことができず、

排気ガスに燃焼することの出来なかったガソリンが混ざって来るのでガソリン臭くなります。

ちなみにこの状態では車検に通りません。

イグニッションコイルの診断方法

パワーバランステスト

画像下から一番、二番、三番シリンダー

この画像の車両はエンジンがガタガタ振動すると言う症状で入庫しました。

まずスパークプラグの点検して正常であることを前提とします。

イグニッションコイルのカプラーをエンジンを掛けた状態で一つ取り外して見ましょう。

そうすると正常なイグニッションコイルでは出力が低下し、パワーバランスが崩れ振動が大きなる若しくはエンジンが停止します。

すでに故障しているイグニッションコイルの場合は、パワーバランスは崩れているのでこれ以上の振動の増大ありません。

今回一つずつテストすると、画像でカプラーを取り外している三番シリンダーに異常があることが分かりました。

次に異常があった三番シリンダーのイグニッションコイルと正常な二番シリンダーのイグニッションコイルを入れ替えてまたテストします。

異常のあるシリンダーが正常なシリンダーと入れ替わればイグニッションコイル不良であると特定できます。

今回故障があったイグニッションコイルなのですがプラグホールにエンジンオイルの侵入があった為故障したようです。オイル漏れの修理もしなくては根本的な解決になりません

ここで異常がイグニッションコイルになかった場合はインジェクター不良もしくは配線不良、圧縮不良となりそれぞれ点検して行きますが今回はイグニッションコイルに絞って解説させていただきます。

もっと手っ取り早く診断する方法がある

イグニッションコイルの配置場所によってはエンジンをかけたままコイルを取り外すことが出来ずパワーバランステストが出来ない車両も多く存在します。

そのような場合は診断機を使ってパワーバランステストを行いますが診断機は非常に高価ですよね。

これはイグニッションアナライザーと言う測定器です。

イグニッションアナライザーはコイルの頭にノズルを当てるだけでピーク電圧と燃焼時間を測定することができます。

慣れれば一瞬で異常シリンダーを特定することも出来ます。

イグニッションアナライザーの黄色の先端をコイルの頭に当てると…

まず一番シリンダーの燃焼時間

続けて二番シリンダーの燃焼時間

そして三番シリンダー

三番の燃焼時間の数字がかけ離れ過ぎてますよね。これだけで三番シリンダーに何かが起きていることまで分かります。

今回は完全に壊れたイグニッションコイルだったので出番はありませんでしたがピーク電圧測定を利用すれば壊れかけたなかなか症状の出ないイグニッションコイルの診断も行うことができ非常に役に立ちます。

導入してみるのも故障診断効率化の手段ですね。

まとめ

今回は故障診断の中でおそらく1番多いであろうイグニッションコイルの故障についてまたイグニッションコイルの故障診断の方法について解説いたしました。

イグニッションコイルは高価ですAmazonなどで探してみると安いものもある!

因みにイグニッションコイルは純正一本10,000〜15,000円程度の価格で交換出来ると思います。

しかし走行距離で寿命を迎えるので1本壊れると他のコイルの故障も近づいています。

3本交換するとなると悩むところ。

近頃は社外品で価格の抑えられた物なら1本2,500円程度からネットで販売されています。

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