独特でかわいらしい見た目とゴーカートのような運転フィーリングで
根強い人気を誇るミニクーパー。
街中で走っているのをよく見かけます。
整備をする場合日本車との違いに戸惑うことも多い車です。
今回はそんなミニクーパーの異音修理を解説します。
お客様来店理由
アイドリングや走行中にジャカジャカ?カラカラ?みたいな大きな音がする
と来店されたミニクーパークラブマンにお乗りのお客様。
話を伺ってみると「朝乗り始めたときは普通なんだけどしばらく走っているとすごく気になる音が出る。ちょっと走るときは全然しないのよ。」とおっしゃっていました。
暖気後に異音が発生すると言うことですね。
そのことを念頭に診断していきます。
車両情報
点検内容
まず異音の確認です。
もう来店された時からずっとジャカジャカカラカラと異音が発生していたので
場所を特定していきます。
近づいてみるとエンジン右のベルト付近より異音が発生しているようです。
エンジンルームをチェックしてみる
ウォーターポンププーリーのゴムが剝がれています。
しかしこれだけで大きな異音が発生するとは考えにくい。
そこでサウンドスコープをあて異音発生箇所を特定して見ます。
タイヤハウスで全くベルトが見えない💦
タイヤハウスを取り外して点検します。
すると
この日本車では見たことがないクランクプーリー左側のプーリーがウォーターポンプを駆動しています。
サウンドスコープを当てると大きな異音が発生しているのがわかりました。
クランクのオイルシールオイルがにじんでいますね。
あと、ベルトテンショナーからも少々異音がありベルトもひび割れています。
修理箇所は決まりました。
修理内容
交換手順
ファンベルトは30ミリのメガネでオートテンショナーを動かし外します。
トルクスボルトを二本緩め外そうとすると
いや、長すぎん?そんな長なくてもええやろ…。
シュラウドに当って抜けません…。
シュラウドずらしますがこれがまたすごい形なんです。
グリルを外し、バンパー、ヘッドライト左右、ラジエーターアッパーサポートを外します。
フロントのメンバーとフレームのに挟まってファンシュラウドが固定されているという鬼の仕様!
メンバーも外しシュラウド固定ボルトを外します。
ここまで外すとシュラウドが動かせるのでオートテンショナーが外せます。
摩擦ホイールを外すためにクランクプーリーが邪魔になりそうなので外しておきます。
クランクボルトを固定しクランクプーリーボルトを3本緩め取り出します。
この摩擦ホイールから出ているベルトを引っ張るとプーリーが引っ込むので
この状態で固定ボルトを外します。
ここまで外しておかないとウォーターポンププーリーは取り出せないので注意。
取り出したウォーターポンププーリーはボロボロですね。
逆の手順でくみ上げてエンジンを掛けると異音は解消され快調になりました。
日本車にはない機構で戸惑いましたが、久しぶりに楽しい故障診断修理になった事例でした。
異音探求にはサウンドスコープ
異音を探すのに皆さんはどうされてますか?
耳で聞くのはもちろんですがドライバーを異音個所にあてて耳に近づけるなどしていませんか?
それでもある程度異音個所に近づくことはできますが、私はいまいち自信が持てなかったりします。
私はJTCのサウンドスコープを使用していますが、やはり異音を拡大しながら聞けるので重宝する道具です。
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